ど〜も!節約と投資で経済的自由を目指す底辺の社畜です。
電気やガスを乗り換えるだけで株がもらえる「カブアンド」というサービスをご存知ですか?
ポイントじゃなくて株が貰えるからお得だよね、という声をよく耳にします。
結論から言うと、
わたしは使いません。
理由は、経済的自由になりたりのであれば、もっと効率的な方法があるからです。
これに惹かれた人は、「サービスの本質的な価値を見る目」を養う必要がありますよ。
カブアンドとは?
カブアンドとは、ZOZO創業者の前澤友作氏が始めたサービスです。
- 電気
- ガス
- モバイル通信
- ネット回線
- ウォーターサーバー
- ふるさと納税
カブアンドが提供するこれらのサービスを利用することで、カブアンドの未公開株がもらえるというのが特徴です。
例えば、楽天モバイルを使ったら楽天ポイントがもらえたり、yahooショッピングを使えばPayPayポイントがもらえたり、といった感じで企業は様々な特典をつけて商品やサービスを使ってもらおうとします。
同じように、カブアンドのサービスを使うことでカブアンドの未公開株がもらえるという訳ですね。
カブアンドの未公開株が特典です。
未公開株とは?
未公開株って何?という人のために、
未公開株とは証券取引所で売買されていない株式会社の株のことです
例えば、UNIQLOやTOYOTA、docomoといった会社の株は、SBI証券や楽天証券で簡単に買うことができます。
もちろん、買うためのお金は必要ですが。
そこが一番難しいんだよ。
お金がないの!
これはUNIQLOやTOYOTAが証券取引所に上場しているからこそ自由に売買ができるわけです。
証券取引所の厳しい審査を受けて、「この会社は信頼できる会社ですよ」と認められることが株式上場ということになります。
例え話で具体的に解説してみましょう。
わたしが「底辺社畜株式会社」を作ったとします
そして1株1万円で1000株発行したとします。すると資本金は1000万円ですね。
わたしはこの会社のオーナーなのでこの株式を100%、1000株を保有しています。
この段階では株式を証券取引所に上場を認められていないので、「底辺社畜株式会社」の株は「未公開株」と呼ばれます。
実は意外と知られていないことなんですけど、世の中の全ての株式会社は株式を発行しています。
だからヤメレ。
地方の小さな町工場であっても、株式会社であれば、創業者やその親族が株式を持っています。だからオーナーと呼ばれるわけです。
そして話を戻しましょう。この「底辺社畜株式会社」は順調に経営を続けていきます。
そして設備投資をしたり新たに従業員を雇ったりして事業をさらに大きくするにあたって資金が足りなくなりました。経営は順調なんだけど、機会を逃さないように、もっと早く、そしてもっとたくさんのお金を集めたいと考えました。
そこで、オーナーであるわたしが持っている株を300株ほど、他人に譲って資金を調達することにしました。
「底辺社畜株式会社」に投資したい人!我が社の株を1株1万5千円で買いませんか?
会社の利益から配当金を差し上げますよ。
と声をかけたんですね。
ですが、いろいろな人に声をかけましたが株価の算出根拠が不透明なので買うのを躊躇されてしまいました。株価の算出根拠は、わたししか知らないので不透明なのは当然です。1万5千円が適正価格なのかは誰にも分かりません。
さらに、株を買った人がお金に困って売りたいと思っても、他の人も買うのを躊躇するでしょうから売ることがなかなかできません。誰も「底辺社畜株式会社」の事を知りませんから当然です。流動性が低いんですね。
つまり、「底辺社畜株式会社」の株は、まぁ買ってもらえないわけです。
まぁ、要らないよね。
経済的自由を手にしたら、ファイナンシャルプランナーの資格を取って節約コンサルとして起業しようと思ってたのに…。
そこで、証券取引所の厳しい審査を通過することで、会社の信頼を高めたり、たくさんの投資家に知ってもらったりして買ってもらいやすくする、つまり資金を集まりやすくするのです。
これが上場ということです。
上場すると未公開株が公開株に変わります。つまり、みんなが自由に売買できるようになるのです。
未公開株投資のデメリット
未公開株投資は、上場株と比べて以下のようなデメリットがあります。
- 流動性が低い
- 株価の算出根拠が不透明
- 情報量が少ない
- 配当金が不明瞭
順番に詳しく見ていきましょう。
流動性が低い・・・市場で自由に売買できませんから、資金が必要になったらオーナー自ら買い手を探さないといけない。また、買った人も売りたくなったときに次の買い手を自分で探さないといけないんですけど、よくわからない会社の株を買いたいという人はなかなか見つかりません。まあ、上場している株でも流動性が低い株はありますけどね。
株価の算出根拠が不透明・・・株価がいくらが適正なのか分かりづらいのです。オーナーが勝手に株価を決めるのだから当然ですね。自分が買い手になったときに、適正価格が分からない株をオーナーの言い値で買いますか?
情報量が少ない・・・上場企業のように情報開示義務がありません。どんな経営者がどのような経営をしているのか、今どんな財務状況なのか、決算も含めて開示されている資料があまりないんですね。資金を集めてすぐ倒産とかね。まぁ詐欺のリスクも高い訳です。
配当金が不明瞭・・・いくら配当するかはオーナーの匙加減です。配当に関してはそもそも貰えるか貰えないのかも分かりません。上場企業でも減配のリスクはありますが、未公開株は配当予想すらありませんからね。
そもそも上場企業ですら不正会計などの事件が少なくない中、監視体制が皆無の非上場企業のリスクは計り知れないですよね。
結論として、投資家にとって未公開株は非常に不利なんですよ。
もちろん上場してたくさんの人が「この会社には価値がある」って思ってくれたら、株式に高い価値がついてボロ儲けしたりできるんですけどね。
残念ながら、リスクとリターンが見合っていないんですね。
未公開株に投資したいなら、「FUNDINNO(ファンディーノ)」なんていうサービスもあります。実績を見ていただければ、上場がいかに困難かが分かると思います。スタートアップの応援という意味合いが強いんでしょうね。
なるほど。未公開株投資の本質はギャンブルだね。
確かにリスクとリターンが見合っていない。
カブアンドの未公開株はお得なのか
未公開株をお金を出して買うのは、ギャンブルと同じで期待値が低い。詐欺に遭うこともある。売りたいときに売れないのは当たり前。つまりリスクが高いことは分かりましたね。
でも、カブアンドはサービスを利用するだけで無料で未公開株がもらえるんだから、株式が上場されなくても別に損しないよね?
なるほど。
上手く行けば、上場してGoogleやAmazonみたいに何万倍にもなるかもしれないし、夢があってよくない?
…と考える人もいるんだね。
それは本質的に間違っています。
本質は、カブアンドが提供する商品やサービスが、対価を支払うに値する価値があるかどうか、という点ではないでしょうか?
無料で株がもらえようがポイントがもらえようが、必要のないものをわざわざ購入したり、月額3,000円で済ませていたものに4,000円払ったりしたら、本末転倒ですよね。
カブアンドのサービスはいろいろ予定されていますが、例えば「KABU&モバイル」が格安SIMの日本通信より安いというのであれば、ぜんぜん使ってもいいと思いますよ。
ですが日本通信の「合理的みんなのプラン」は20GBに70分の無料通話がついて1,390円です。
わたしが使っている「mineo」は、1.5Mbpsの中速ではありますが、実質使い放題で1,265円です。
「KABU&ウォーター」なんて、ウォーターサーバー使いますか?こんなもの使ったら経済的自由にたどり着くことなんかできませんよ。
他のサービスについても、現在使っているサービスと同等以上の品質で価格が安いのであれば、もらえる株に関係なく利用すべきでしょう。純粋にサービスとして優秀なんだから。
でも、Xでツイートされてるみたいに、GoogleやAmazonみたいに何万倍にもなることを夢見てコスパの低いカブアンドのサービスを利用するのはどうなんでしょうね。
そもそも上場はすごくハードルが高いです。カブアンドでは、Xで1株5円で30億株を前澤さんが保有し、別に最大6億株をサービス利用者に分配すると発表されています。
時価総額は最大180億円ぐらいですね。思いっきり甘くPERが20倍として純利益が9億円です。日本の上場企業の平均配当性向は36%程ですから配当総額は3億2400万円。36億株で割ると、1株あたり0.09円、配当利回りは1.8%ということになりますね。5万円分の株を保有したとして月に75円の配当を受け取ることができます。
5万円分の株をもらうためには、月に何円のサービスを利用すればいいの?
前澤さんが例え話で5%還元と言ってたよ。
もし5%還元が本当だとしても100万円分の利用が必要だね。
さらにここから株価が10倍になるということは時価総額は1800億円です。ちなみに日本通信の時価総額は2024年11月15日現在で約230億円です。
株価10倍でもこんなに大変なことです。GoogleやAmazonみたいに何万倍になる事が現実的ではないことが分かったと思います。少なくとも日本国内だけのサービス展開でそこに到達するのは不可能です。
前澤さんもこれが分かったうえで、Xの「GoogleやAmazonみたいに何万倍」ツイートをリツイートして拡散している訳です。
嘘だと分かっている情報を拡散するのは詐欺じゃない?
詐欺と言い切ると問題があるのでそこまでは言わないけど、分かってやってるんだから「詐欺まがい」と言っても名誉毀損には当たらないと思います。
前澤さんについての参考情報もぜひご覧ください。
無料で株が欲しいなら、楽天のサービスを利用して、もらった楽天ポイントで「レバナス」や「レバレッジNifty50」に投資したほうがよっぽど夢が見れます。
「レバナス」や「レバレッジNifty50」はあなたの個人的な希望でしょ?
うっ…。
でも「レバナス」は実績があるから許して。
カブアンドはお得なのか?に対する答えはこうです。
「カブアンドが提供する商品やサービスが、対価を支払うに値する価値があるかどうか」で判断しましょう。
カブアンドの建前は素晴らしい
前澤さんの「みんなに株を持ってほしい」という建前は否定しません。むしろ同意します。
トマ・ピケティが唱えた
r(資本収益率) > g(経済成長率)
からも分かるように、この世の中は資本家に有利な方向に向かっています。資本家が政治家にお金を払ってそうしているのです。
労働者(プロレタリアート)ではなく資本家(ブルジョアジー)にならないと経済的自由にはなれないのです。
ですが、カブアンドの未公開株を貰っても本質的には意味がありません。前澤さんがXで「サービスの対価の5%をポイントとして配り、…1年に一度、ポイントを株に変えるかサービスの割引に充てる…」とツイートしていました。支払った分の5%です。全てのサービスを利用して年間100万円支払ったとしましょう。もらえる株は最高でも5万円分です。うまくいって3年で15万円分の株を持って上場を迎えたとします。高配当株と言われる4%の配当があったとしても税引き後4800円弱の配当金が受け取れるだけです。
また、6億株をサービス利用者に分配し終わったら新株を発行するとも言っていますので、株式価値の希薄化という問題も発生します。
繰り返しますが、前澤さんはこの事を分かったうえで「みんなに株を持ってほしい」と言っています。
上場して莫大な富を得るのは前澤さんとその取り巻きなどほんの一部だけです。30億株150億円の一部を売り抜ければ数十億円が転がり込みますからね。
「上場して一番儲かるのは前澤さんだ」とのXでの指摘に対して、前澤さん自身が「そのとおりだけど何が悪いの?」と言っています。前澤さんは、サービスの利用者が豊かになることはないことが分かっているのです。
まとめ
まとめると、
カブアンドはZOZO創業者の前澤さんが作った、サービスを利用すると未公開株が貰える会社です。
未公開株投資は公開株と違ってデメリットが多くリスクが高いのでお勧めはしません。最強の投資家ウォーレン・バフェットさんの教えにしたがってインデックス投資をしましょう。
そもそも、利用するサービスはもらえるポイントや株で選ぶべきではありません。あくまでもその商品やサービスの品質と価格で選ぶべきものですよね?
前澤さんの「みんなに株を持ってほしい」という建前には同意します。労働者(プロレタリアート)ではなく資本家(ブルジョアジー)にならないと経済的自由にはなれませんからね。
結論としては、収入を増やして、支出を減らし、インデックス投資で増やしましょう、ということになります。
ポイントや未公開株を貰うために無駄遣いするのは本末転倒。
教訓、ポイントや未公開株を貰うために無駄遣いするのは本末転倒!
これからも節約と投資!
経済的自由を目指して
頑張るぞ!!
おー!!
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