経済的自由へのプランを考えるとき、公的年金の受給額はとても気になるものです。
65歳からの『収入の柱』となるものですから、当然ですよね?
公的年金は、死ぬまで支給が約束されています。それどころか、死んだ後も『遺族年金』として残された家族を支えてくれます。
問題は、生活を支えることができるのか、つまり受給額はいくらなのかと言う事です。
この記事では、老齢年金受給額の簡単な計算方法の紹介と、社畜の受給額をシミュレーションして晒してみようと思います。
『厚生年金はいくらもらえるのか』聞くために、年金事務所に行ってみた。
まず、社畜は厚生年金がいくらもらえるのかを調べてみることにしました。
さっそく、年金事務所に行ってみると、
社畜は、厚生年金がいくらもらえるのかを教えて下さい!
申し訳ありません。予約がないとご相談いただけません。あと、年金の見込額の試算は、50歳からです。
そうなのです。年金事務所は、予約が必要なのです。また、年金額の試算は、50歳以上となっています。
確かに、あんまり早くに試算しても、給料が変わるから、正確な受給額は計算できないよね。
『ねんきんネット』に登録すれば、50歳未満でも、ネットで試算ができるようです。
とりあえず、今回は、パンフレットをもらってきました。パンフレットの中に、厚生年金の計算方法が書いてあったので、これで試算してみたいと思います。
老齢年金の計算方法
厚生年金の受給額の計算方法は、パンフレットの他に、日本年金機構のホームページにも掲載されています。
社畜は、65歳から受給開始です。
厚生年金を納付している人は、『老齢基礎年金』と『老齢厚生年金』を受給できます。それぞれの計算方法を見ていきましょう。
老齢基礎年金の計算方法
老齢基礎年金の計算は、とても簡単です。
780,900円×納付済月数など÷480月
簡単に書くとこうなります。
そして、『納付済月数など』の内訳は、以下のようになっています。
- 納付済月数✕1
- 全額免除月数✕0.5
- 1/4納付月数✕0.625
- 半額納付月数✕0.75
- 3/4納付月数✕0.875
- 学生納付特例月数✕0
- 納付猶予月数✕0
- 未納月数✕0
社畜のケースで計算してみます。
社畜は、24歳まで学生で、25歳で就職しました。60歳定年まで底辺社畜であったとすると、納付済月数は、35年間(420月)となります。学生期間は、0で計算されるので、
780,900円✕420月/480月=683,287円
これが、社畜の老齢基礎年金です。
次は、老齢厚生年金の計算方法を見ていきましょう。
老齢厚生年金の計算方法
老齢厚生年金の計算は複雑です。
できる限り簡単に書くと、
平均標準報酬額✕0.005481✕厚生年金に加入した月数
平成15年3月以前の勤務期間が短い人は、これで充分です。
そして、平均標準報酬額とは、
計算の基礎となる各月の標準報酬月額と標準賞与額の総額を、厚生年金加入期間で割って得た額です。
もう分かりにくいですね。簡単に書くと、生涯賃金(給料とボーナスを全部足したもの)を、厚生年金加入月数で割った金額です。
40年間で2億円稼いだとすると、平均標準報酬額は、
2億円÷480月=416,667円
と言うことになります。厳密には違いますが、大まかな計算は、これで充分です。
それでは、社畜のケースで計算してみましょう。生涯賃金は不明ですが、別のアプローチで平均標準報酬額を予測してみます。
社畜の昨年の年収が、ちょっと盛って500万円位です。25歳で厚生年金に加入して、現在44歳の19年目です。昨年は、18年目だった事になります。60歳定年まで底辺社畜だったとすると、勤務期間は35年間。18年目は、ちょうど折り返し点。つまり、昨年の年収は生涯の年収の平均に近いはずです。なので、昨年の年収500万円を12ヶ月で割った、416,667円を社畜の平均標準報酬額とします。
厚生年金加入期間は、60歳定年まで勤務した場合の35年(420ヶ月)とします。
社畜の老齢厚生年金の受給額は、
416,667円✕0.005481✕420月=959,175円
と言うことになりました。
誤解を恐れずに、老齢厚生年金の簡易計算方法を書くと、このようになります。
平均年収✕勤務年数✕0.00581
社畜の場合を当てはめると、
500万円✕35年✕0.005481=959,175円
当然、同じ結果になります。
平均年収✕勤務年数は、生涯賃金の事ですから、生涯賃金が予想できる人は、
生涯賃金✕0.005481
もっと簡単になりましたね。
社畜の生涯賃金は、
500万円✕35年=1億7,500万円ということか。
そんなにもらってる気はしないけど、意外と多いね。
老齢厚生年金の簡易計算方法で、注意しないといけないことを、3点補足します。
1点目は、計算に使う年収は、『総支給額』だということです。『手取り』ではありません。振り込まれる額ではなく、給与明細のいろいろ引かれる前の額を使って下さい。年始にもらえる『源泉徴収票』の『支払金額』が、正確な金額です。
2点目は、平成15年3月までの厚生年金期間が長い人は、簡易計算は当てにならないということです。ボーナスが年間3.6ヶ月分より多かった人は、実際の年金額は、簡易計算より少なくなります。
3点目は、月給が65万円を超える人は、簡易計算は使えないということです。65万円を超える人は、65万円とみなされる仕組みなので、年収と老齢厚生年金の金額は乖離します。
この記事を読むような人は、そんなにもらってないでしょ。
あくまで、簡単に計算できるように、複雑な計算を省略しています。簡易計算の結果は、参考程度として下さい。
底辺社畜の老齢年金額は?
それでは、気になる社畜の老齢年金額を発表します。
- 『老齢基礎年金』683,287円
- 『老齢厚生年金』959,175円
- 『合計』1,642,462円
- 月額136,871円
これが、底辺社畜が65歳から一生涯受け取れる年金です。
社畜の奥さまは、20歳から国民年金を『納付』しています。結婚して『国民年金第3号被保険者』になるまで、『免除』も『未納』もありません。つまり、満額の780,900円を受け取る事ができます。
- 『老齢基礎年金』780,900円
- 月額65,075円
二人合わせると、201,946円を毎月受け取ることができます。
まとめ
この記事では、老齢年金の計算方法と、社畜の受給額をシミュレーションしてみました。
まずは、計算方法から。
『老齢基礎年金』+『老齢厚生年金』
780,900円×納付済月数÷480月
平均年収✕勤務年数✕0.00581
ただし、簡易的な計算方法ですので、概算と考えてください。
次に、平均年収500万円で25歳から60歳まで働いたとしたら、社畜の年金額は、
- 年額1,642,462円
- 月額136,871円
国民年金を未納なく納付している奥さまの年金額は、
- 年額780,900円
- 月額65,075円
二人の合計は、
月額201,946円
社畜家の年金額は、月額約20万円という結果になりました。
約20万円か。
税金や国民健康保険料を支払うと、これだけじゃ厳しいね。
でも、年金額が分かれば、ライフプランは立てやすくなるよ。
これから、この金額をもとに、ライフプランや経済的自由への道筋を考えていこうと思います。
みなさんも、ぜひ自分の年金額を計算してみてください。
それでは、また!
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