家計崩壊!インフレ率が体感と一致しない理由

経済的自由

ど〜も!節約と投資で経済的自由を目指す底辺の社畜です。

物価上昇が止まりませんね。

2025年10月は、3,000品目以上の値上げが実施されました。平均値上げ率は17%にも達しています。4月には、4,200品目を超える値上げがあったばかりなのに、とどまることを知りません。

政府、というか自民党の物価高対策は、全く当てにできません。

お米券は無いでしょ?

米価高騰で、買い控えが起きて需要が減少。スーパーに米が山積みされて、これから値崩れするはずだったのに、お米券配ったら需要が喚起されて、米価は下がりませんよ?

「価格にはコミットしない」んじゃ無かったでしたっけ?来年の作付面積を減らすってことは、減反ですよね?米価の維持ですよね?

話が逸れましたので元に戻しましょう。

2025年10月のインフレ率は、前年同月比で+3%であったことが発表されました。ここ1年は+3%が続いていますので、年間のインフレ率も+3%程度になりそうです。

奥さま
奥さま

いやいや、スーパーに行ってみてよ。物価上昇は3%ぐらいじゃないよ!

米なんて、ここ2年で3倍ぐらいになってるからね!

社畜
社畜

そのとおり!

実はインフレ率には、実感と合わないカラクリがあるんだよ。

と言うことで、インフレ率と実感が一致しない理由を解説していきます。

インフレ率とは?

インフレ率と実感が一致しない理由を知るためには、まずインフレ率とは何なのか?ということを理解する必要があります。

インフレ率とは、特定の期間における物価の上昇割合を示す指標です。一般的には「前年比の消費者物価指数(CPI)上昇率」で示されます。

例えば、去年100円だった板チョコが、今年120円に値上がりしていたら、板チョコの上昇率は20%ということになりますよね?これを、板チョコだけでなく、消費されるすべての品目で考えたものが本当のインフレ(物価上昇)率です。

例えば、1年間で買ったすべての商品を1つの買い物かごに入れて会計をすると300万円でした。1年後に、同じ商品を買い物かごに入れて会計をすると330万円でした。これなら1年で物価が10%上昇したということが分かりやすいですよね?

これだけだったら、インフレ率と実感は一致するんです。

では何故、インフレ率と実感は一致しないのか?

それは、ここで新しく出てきた「消費者物価指数(CPI)」にカラクリがあるんですね。

今度は、消費者物価指数とはどのような指数なのかを説明します。

消費者物価指数(CPI)とは?

消費者物価指数については、総務省統計局がホームページで詳しく解説しています。

しかし、詳しすぎて(なんと59ページもある!)分かりづらいので、要点だけをかいつまんで解説します。

先ほど、板チョコの値上げの例を出しましたね?

そして、板チョコだけでなく、すべての消費される品目の値上げ率を考えたものが、本当のインフレ率だと説明しました。

消費者物価指数は、実は全品目から導き出した指数ではありません。

直近の消費者物価指数は582品目の物価の上昇から導き出されます。総務省統計局の説明によると、「家計の消費支出全体の中から支出額の高い品目順に並べてみると、上位300品目で全体の支出額の90%を占めている」ため、582品目で充分ということが根拠となっているようです。

次に、この582品目一品一品の値上げ率を、単純に足し上げて計算する訳ではありません。

ここに、「ウェイト」というカラクリが登場します。

カレーライスで考えてみましょう。

米が10%、肉が20%、カレールーが30%値上がりしたとします。ウェイトがなければ、

(10+20+30)÷3=20%

物価指数は、20%上昇となります。

これに支出額に応じたウェイトをつけるとどうなるでしょうか?支出額の全体を10としたときのウエイトを、米が6、肉が3、ルーが1とします。すると、

(10×6+20×3+30×1)÷(6+3+1)=15%

物価上昇率は、15%にまで低下してしまいます。

支出額が大きいものは、ウェイトが高くなるのでインフレ率に与える影響が大きくなる、ということですね。

実際のウェイトは、1万分比を使います。支出額全体を10,000とするということです。

直近(※2020年)のウェイト一覧によると、例えば米は62です。一方、住宅の家賃は1833、携帯電話の通信費は271です。

このウェイト、実感と合ってますか?

例えば、米が5kg4000円としましょう。わが家は4人家族で月に20kg消費します。月の米代は16,000円ですね。これを米のウェイト62で割って、家賃のウェイト1833を乗じると、なんと家賃は46万円となってしまいます。携帯電話の通信費も同じように割り戻すと7万円です!

逆に総支出額から計算してみましょう。毎月の支出額を30万円とすると、米は30万円を10,000で割って62を乗じるので1,860円になります。1ヶ月で2kgぐらいしか買えません。家賃は5万5千円、携帯電話の通信費は4人で8千円程度になります。

くりかえしますが、このウェイト、実感と合ってますか?

奥さま
奥さま

全く合わないね。

家賃46万円…、石油王か?

社畜
社畜

少なくとも、我が家とは懸け離れてるよね。

ちなみに家賃は、持ち家の人が自宅を賃貸に出した場合の家賃で換算してあります。

家賃や通信費のウェイトは高すぎます。

そして、家賃や通信費は、他の消費品目に比べ、値上げがマイルドです。

結果として、ウェイトが高い家賃や通信費は、値段があまり上がっていないので、消費者物価指数の伸びは抑えられることになっているのです。

インフレ率が実感と合わない理由

これまでの説明から、なぜインフレ率が実感とズレているのかが理解できたと思います。

まとめると、

インフレ率とは、一定期間における消費者物価指数の伸び率。

消費者物価指数とは、582品目について、2020年を100としたときの、現在の物価水準を示す指数。

ただし、582品目の価格の変動を単純に合算したものではなく、ウェイトをつけた加重平均となっている。

米に代表される食料品は大きく値上がりしているが、ウェイトが大きな家賃の値上げはそれ程でもない。

結果として、ウェイトが実態とズレてしまっているために、インフレ率は実感とズレが生じている。

ということになります。

奥さま
奥さま

なるほど。ニュースで報道されているインフレ率と実感がズレてる理由は分かった。

で、どうすればいいの?

社畜
社畜

大切なのは実感。

自分の感覚を信じること。これができなければ、下手すれば家計崩壊だよ。

経済的自由を手にするためには、いかに余剰資金を作り出し投資に回せるか、にかかっています。そこに時間を乗ずることで、経済的自由は確実に近づくことができます。

一番大切なファクターは時間ですが、次に大切なのが投資に回す資金です。

インフレ率が+3%であれば、3%生活水準を下げることでインフレ前の投資資金を確保できます。しかし、実感は+10%の物価上昇であったとすれば更に7%生活水準を下げなければ、投資資金は減ってしまいます。

結果、経済的自由を手にするまでの時間は更に延びてしまうことでしょう。投資資金が0円になるだけならまだしも、生活防衛資金を取り崩さなければならなくなるかもしれません。家計崩壊ですね。

実感のインフレ率を超えて収入を増やせる人は、特に対策を打つ必要はありません。

しかし、収入を増やせない人が打てる手段は限られています。ラテマネーを減らす、おやつを減らす、過剰な保険を解約する、携帯電話のプランを下げる、など物価上昇に見合った生活防衛を考え、この物価高を乗り越えましょう。

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